HCV+のLCにおけるHCC合併の予測
HCV陽性のLiver CirrhosisでLiver Biopsyを施行した場合に、組織所見と血清AFP濃度(ng/ml)からその時点でHCCの合併がある確率を計算することが可能です。Logistic Regression Analysisの結果HCCの合併と有意に関連する因子として組織の1)不規則再生の程度(IR, irregular regeneration)、2)門脈域のリンパ球浸潤の程度(PLR, portal lymphocyte reaction)、3)血清AFP濃度(ng/ml)の3つの因子が出てきました。これら3因子でR Squareは0.5966となり、ほぼ60%が決定されることになります。以下の、フィールドにそれぞれの因子の値を選択・入力して計算・判定ボタンをクリックするとHCC合併の確率が計算されます。この確率が0.5を超えるとHCCを合併していない確率より合併している確率の方が高くなるので、HCC+と判定します。なお、JavaScript(Math関数でlogとexpが使えるバージョン)が必要です。
Irregular regeneration (IR): REFERENCE IMAGES
None-Slight
Intermediate
Severe
IRの判定について詳細はこちらを参照してください。
Portal lymphocyte reaction (PLR): REFERENCE IMAGES
None-Slight
Intermediate
Severe
PLRは下の5段階に分けられるが、None-slightは0,1、Intermediateは2、Severeは3から5と3段階に分類して判定する。門脈域にリンパ球が少ししか認められなければNone-slight、たくさん出ていればIntermediate、集ぞくしていればSevereと判定する。
0: none or little
1: splinkling of lymphocyte (リンパ球が散在している状態)
2: many lymphocytes without aggregation or clustering
3: aggregation or clustering of lymphocytes
4: lympho follicle(リンパ濾胞)
5: lympho follicle with germinal center(胚中心)
さて、ここで紹介したのはHCV陽性肝硬変におけるHCC合併の予測に関する現在進行中の研究に基づいています。予測式はHCV陽性肝硬変でHCC+の例31例とHCC-の例37例のデータに基づきLogistic Regression Analysisを行った結果得られたものです。実際にこの式をこれらもとになった症例に当てはめて計算すると、HCC+例の86.2%、HCC-例の87.9%で正しい推測が可能でした。
LCの診断が画像診断で明らかでなく、
- 肝生検を施行するような場合
- CHがLCまで進行しているかどうか肝生検で判定する必要がある場合
- CHとの診断を予期して肝生検を施行したが組織学的にはLCであったと言うような場合
などにおいて血清AFPと肝組織所見でIRとPLRの程度を判断すればHCC合併の確率を求めることが可能になります。さらに、
- 画像診断でHCCの診断が確実でない場合
- 画像診断ではHCCが否定的な場合
においても、ここに紹介した予測式でHCC合併の確率を求めれば、さらに精査を進めるべきかどうかの判断に役立つと思われます。
以上、ここで紹介した予測式が有効かどうかもし検討してみようと思われる先生がいましたら、森實までEmailでご連絡ください。あるいは実際に使ってみてのご意見、ご感想をお聞かせください。
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