Style Folder
PubMedからテキストファイルとしてダウンロードした文献リストをEndNoteに取り込んだ後の利用のし方には何通りかある。その中で,論文執筆の際に引用文献Referencesの部分(Bibliography)を作る方法について解説したい。(ここで用いているEndNoteはV 3.2であり,最近V 4.0が発売されたばかりであるが,まだ旧バージョンを使用している人が多いと思うので,V 3.2に基づいて解説する。)
さて,EndNoteには数多くの雑誌のReferencesの形式がStyleとして提供されているので,自分が投稿しようとする雑誌がそこに含まれていれば,StylesメニューからSet Styles Folderを選び,目的の雑誌のStyle用のファイルが入っているフォルダを開いて設定をしておく。Style用のファイルはEndNoteを普通にインストールした際には,EndNoteのプログラムが入っているフォルダーの中にStylesというフォルダがあり,その中にMedicineなどさまざまなファイルが入っているので,その中から選択する。フォルダーを設定すると,そのフォルダの中に含まれているStyleのファイルがStylesメニューの下に表示されるようになり,その中から選択することができるようになる。
Styleの作成法
既定のStyleがない場合には自分で作ることもできる。つまり,自分が投稿しようとする雑誌のReferencesの形式にあわせて,自分でStyleを作ることができる。その方法について述べる。
まず,StylesメニューからNewを選択する。
すると,Untitled.ensという名前のウインドウが現れる。ensはEndNoteのStyleという意味である。
最初はCitationとGenericの2つのReference Typeしかないので,新しいReference Typeを追加するために,Edit StylesメニューからNew Reference Typeを選ぶ。
Reference Typeには下図に示すようにいくつもあるが,この中からJournal Articleを選択して,OKボタンをクリックする。(もし本の場合の形式を作りたいのであれば,ここでBookを選択する)。
すると,Untitled.ensのフィールドにJournal Articleというフィールドが現れるので,これをクリックして選択し,ここに新しいReference Typeを作る。
ここでは,一番標準的な引用文献のStyleを作ってみることにする。すなわち,著者名:タイトル. 雑誌名 年度;巻:最初のページ-最後のページ.という形式である。ページは最後のページの表示は最初のページと異なる部分だけを表示する形式にすることにする。
そこで,Utitled.ensウインドウの上の方にあるInsert Field>>というボタンをクリックすると,これらの必要な項目の一覧が表示される。まず,Authorを選択する。
すると,Journal ArticleのフィールドにAuthorと書き込まれる。次に,コロン:そしてスペースをキーボードから続けて入力して書き込む。次に,Authorの場合と同じようにInsert Field>>というボタンをクリックして,Titleを選択し,続いてピリオド.をキーボードから書き込む。このように順次下図の様に書き込んでゆく。
これで必要な項目がそろった。次にそれぞれの項目の形式を必要に応じて設定する。まず,AuthorとPagesの形式を設定する。そのために,Edit StylesメニューからAuthor Listを選択する。
下図に示す,Authorの部分の形式を設定するためのウインドウが現れる。Separatorsというのは各著者名の区切をどうするかということを決める部分である。デフォルトではコンマで区切り,最後の著者名はandで区切るようになっているので,今回はこのままにしておく。もし,最後の著者名もコンマで区切りたければ,andを消して,コンマを書き込めばよいし,andの前にコンマを入れたければコンマを書き込む。
Abbreviationの部分は著者名を何人まで書き込むかを設定する部分である。たとえば,6人以上の場合には最初の3名の著者名を書き込み,残りは, et al.とするのであれば,左のフィールドを6に変え,中央のフィールドを3に変えればよい。, et alの最後のピリオドが必要なければ削除する。今回は著者全員の名前を書き込むStyleにするため,Abbreviationの部分はデフォルトのままとして変更しないことにする。
Name Orderは名姓の順にするか姓名の順にするかを設定する部分である。多くの雑誌は最初の著者名も残りの著者名も姓名の順が多いが,一部の雑誌は最初の著者名と残りの著者名で姓名の順が異なる。このような場合でも,Name Orderは最初の著者と残りの著者の形式を別々の設定できるので,それにも対応することができる。ここでは一般的な全著者名を姓名の順で書き込むように設定することにする。
そのために,First AuthorとOther Authorsの右のポップアップメニューからSmith Janeを、Other Authorsの右のポップアップメニューからDoe Johnを選ぶ,すなわち,姓名の順で区切としてはコンマは入れない設定である。
次に,Initialsの部分でFull namesで書き込むか,イニシャルにするか,イニシャルの場合ピリオドを入れるか間隔をどうするかを設定する。ここではコンマなし,でスペースも入れない形式を選ぶことにする。
次に,ページの形式を設定する。Edit StylesメニューからPage Numbersを選ぶと下の画面が表示される。ここでは,Abbreviate last pageのスタイルにすることにする。
さらに,雑誌名の表示をイタリックにしてみよう。現在作成中のUntitled.ensのウインドウでJournalの文字を下図のように選択して反転させ,TextメニューからStyle,さらにItalicを選択する。
これで設定の作業は終わったので,Styleのファイルとして保存する。Untitled.ensのウインドウが選択された状態でFileメニューからSaveを選んで,適当なファイル名をつけてStylesフォルダーの中のどこか適切な場所に保存する。Windowsの場合拡張子はensとなる。ここではGeneral.ensというファイル名でStylesフォルダーの中に保存しておくことにする。保存ボタンをクリックする。
ファイルを保存するとSet Styles FolderでStylesフォルダが設定されていれば,Stylesメニューを開いてみると,中にGeneral.ensが現れるようになる。
さて,Journal ArticleのStyleとして設定したので,それぞれの文献をこのStyleを用いて表示するには各文献をダブルクリックして開いた際に上に表示されるReference TypeをJournal Articleに設定しておく必要がある。もし,他のTypeに設定されているとそのTypeで作成されたStyleが適用されることになる。GenericとCitationのStyleは空欄のままにしてあるので,もし、Reference TypeがGenericに指定されていると,その文献は空欄で表示されたり出力されることになる。
したがって,本の引用をしたい場合には上に述べたように,Reference Typeの選択で,Bookを選択してそのStyleを設定し,その文献のReference TypeをBookに設定するようにする。なお,引用したい本のデータはマニュアルで入力することになる。
いずれにせよ,各文献のReference Typeを指定しておく必要がある。
選択したStyleで文献データをクリップボードに取り込む
それでは,StylesメニューでGeneral.ensを選択した状態で,文献リストを表示した状態で,どれか文献を選択して反転表示させ,EditメニューからCopy Formattedを選んでみよう。この作業によりGeneral.ensのStyleで選択した文献をクリップボードに書き込むことが行なわれる。
その後,EditメニューからShow Clipboardを選んで,クリップボードの中身を確認してみよう。
すると,Styleの作成の際に指定したとおりの形式で,書き込まれているのが分かる。
さて,EndNoteのCopy Formattedでクリップボードに書き込まれた文献はもちろん,他のワープロの文書に貼り付けることも可能である。そこで,たとえばMicrosoft Word (以下Word)で論文を執筆する際に,Wordの文末脚注の機能を使うと自動的に文献番号を生成するとともに原稿の最後にReferencesを付けることができる。なお,文末脚注の機能があるワープロソフトであれば同じことができるはずである。
もちろん,EndNoteの機能を使って,Referencesの部分(Bibliography)を作ることもできるし,それが本来のEndNoteの使用法であるが,それは別の項で紹介したい。
選択したStyleでリッチテキストフォーマットの文書として出力する
また,EndNoteではStylesメニューで指定した形式で,文献をまとめて,リッチテキストフォーマット(rtf)の文書として出力することもできる。rtfのファイルは多くのワープロソフトで開いて見ることができるので汎用性がある。たとえば,次のようなStyleを作ると,Abstract付きで,各文献の間に改行を入れて,出力することができる。
このスタイルはTitleを太字にし、Pages.のあとに2つ改行を入れ,Abstractの後に3つ改行を入れてある。したがって,このスタイルを用いて出力すると各文献が改行で区切られて出力されることになる。
さて,FileメニューからExportを選ぶと,ファイル名をつける画面が出るので,適当な名前を付けて,保存する。Exportではその際EndNoteでリスト表示されているすべての文献が強制的にその際に選択されているStyleで出力される。たとえば,ReferencesメニューからSearchを選択して,ある語句を含む文献だけを表示した状態で,Exportを実行すると,検索結果だけが出力されることになる。
保存したファイルは後で,ワープロソフトで開いてみることができるし,テキストファイルとして保存しなおして,VisorやWorkPad,ClieなどのPDAにアップロードして読むことにも使える。また,rtfのファイルのままJornada 690やSigmarionのようなHandheld PCやE-700のようなPocket PCにアップロードして読むこともできる。
Wordで文末脚注を作る
それでは,Wordで文末脚注をどのようにして作るか解説しよう。
まず,文献を挿入したい場所にカーソルを置く。
次に,挿入メニューから脚注を選ぶ。
すると,脚注と文末脚注を指定する画面になるので,文末脚注を選択して,次に文末脚注を入れる場所と番号を指定するためオプションボタンをクリックする。
脚注と文末脚注のオプションを設定する画面が出るので,ここで挿入の位置をセクションの最後,番号の書式はアラビア数字の半角文字,開始番号を1とし,番号の付け方は連続にする。
この画面で,挿入する位置を文書の最後にすると,原稿の最後の部分にReferencesを挿入することになる。それでもいいのであるが,論文の場合には,Referencesの後にTableやLegendsが来るのが普通であるから,セクションの最後に設定しておき,本文の最後Acknowledgementsの後に,あるいは後述するようにReferencesと書いた後に,挿入メニューからセクション区切を挿入しておけば,Referencesの後ろに文章を続けることができる。
さて,脚注と文末脚注のオプションを設定して,OKボタンをクリックし,脚注と文末脚注の画面に戻って,OKボタンをクリックすると,本文中に上付きで文献番号が挿入され,セクションの最後の部分に飛んで文献番号に続けて,文献を書き込むように促される。そこで,EndNoteでCopy Formattedで適当なStyleでクリップボードに取り込んだ文献を編集メニューから貼り付けを選んで貼り付けることができる。最初はセクションの最後は既に書いてある文章の最後の部分になるので,そこに文献を文献番号に続けて貼り付けることができる。文末脚注の始まりの部分の区切は薄い横線で示される。横線の上にReferencesと書いて,Referencesの左側にカーソルを置き,挿入メニューから改ページを選び,改ページの画面からカーソル位置へ挿入から改ページを選択してOKボタンをクリックすると,References以後の部分は次のページから表示されるようになる。この場合,Referencesと書いた部分がセクションの最後になっている。したがって,後で,Referencesの部分の後ろにTableやLegendsを続けて書きたい場合には,Referencesの右にカーソルを持ってきて挿入メニューから改ページを選び,改ページ画面でセクション区切,次のページから開始を選択してOKボタンをクリックする。これにより,Referencesの部分の後ろに新しいページが挿入され,そこから文章をさらに書くことができる。
一度文末脚注の挿入の操作を行なうと,その後挿入メニューから脚注を選ぶと同じ形式で文末脚注の挿入ができるようになる。
また,文章中に挿入した文末脚注を削除したい場合には,文章中で上付き文字で表示されている文献番号を選択して反転表示させて,Deleteキーを押す。カーソルを文献番号の上に移動させるとその内容がポップアップ表示される。文献番号をダブルクリックすると文末脚注のその部分へ飛ぶことができる。また,文末脚注で番号の部分をダブルクリックするとその文献番号が挿入されている本文に戻ることができる。
文章を切り取ったり,切り取って別の位置に貼り付けたりすると,文献番号は自動的に振りなおされ,文末脚注内での順序も自動的に更新される。そのため,文章の書き換えの際に文献を付け直す必要がなくなり,非常に便利である。ただし,同じ文献を別の個所でも引用する,Rereferenceは最後に自分で上付き文字で番号を挿入することになる。
文献番号を付けるようにする
さて,以上のように作成したGenerl.ensのスタイルでは,Exportしたり,あるいは別の項で紹介してあるEndNoteのBibliography作成機能を用いる場合にも文献番号が自動的に付けられない。文献番号が付けられるようにするには,Styleの中でCitationのフィールドにその形式を指定する。
まず,StylesメニューからGeneral.ensを選択してから、Editを選択する。
General.ensのウインドウが開かれた状態で,FileメニューからSave Asを選んで,General Numbered.ensというファイル名をつけて適当なフォルダーに保存する。ここでは,Stylesフォルダーに保存する。この新しく作成したGeneral Numbered.ensを編集することにする。
今度はStylesメニューからGeneral Numbered.ensを選択して,同じくEditを選ぶ。General Numbered.ensのウインドウが開かれるので,Citationを選択し,Insert Field >>ボタンをクリックしてBibliography Numberを選択する。
これによりCitationのフィールドにBibliography Numberと書き込まれる。EndNoteのPaper ScanおよびFormatの機能を使って,原稿中に文献を挿入する場合,このCitationのBibliography Numberの形式にしたがって,本文中への番号が挿入される。たとえば,上付き文字にしたい場合には,Bibliography Number全体を選択して反転表示させ,TextメニューからStyleでSuperscriptを選択する。
また,カッコを付けたい場合には,Bibliography Numberの後ろにカッコを挿入しておく。両側をカッコで囲みたければ,Bibliography Numberをカッコで囲むようにする。
Exportする際に文献に番号が振られるようにするには,Journal Articleを選択して,Edit StylesメニューからReference Prefixを選択する。
Start each reference with:にInsert Field >>から,Bibliography Numberを選択して,Bibliography Numberを書き込む。(なおRecord Numberはそれぞれの文献に固定されて付けられた番号であり,Bibliography Numberは選択されたものだけについて順番に振られる番号になる)。
さらに,Bibliography Numberの右にピリオドとスペースを入れておく。これによって,Exportした際に,各文献に番号とピリオドとスペースが順番に頭に振られて出力される。準備ができたら,OKボタンをクリックする。
さて,ついでにGenericのStyleも指定しておこう。Reference TypeがGenericになっている文献をダブルクリックして開いてみると,Secondary Titleに雑誌名が入っているのが分かるので,Journalの部分にSecondary Titleを挿入する。つまり,下図の如く順次各項目をInsert Field >>ボタンで挿入し,それぞれの区切も入力し,文字スタイルも設定する。
完成したら,FileメニューからSaveして,閉じる。ついでに,先に作成したGeneral.ensのGenericも同じ様に書き込んでおくことにしよう。その際にはGeneral Numbered.ensのGenericに書き込まれている部分を選択してコピーして貼り付ければよい。
さらに,BookのStyleの設定も各自トライしてみたらいかがであろうか。
以上のように,番号が自動的に付けられるStyleと番号のつかないStyleと両方を用意しておくと便利である。なぜなら,Copy Formattedを利用して,文献を挿入する場合には,番号がつかないほうが便利だからである。番号を付けるようにしたStyleではCopy Formattedした場合にも番号が付けられてしまう。また,複数の文献を選択してCopy Formattedした場合には1番から順に番号が付けられ,1つしか文献を選択していない場合には1が付けられる。複数の文献を選択する場合には一つ一つであれば,Ctrlキーを押しながらマウスでクリックし,ある範囲を選択するならスペースキーを押しながらマウスでクリックする。