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PubMed利用法 MEDLINEの検索
(Advanced Searchについてはこちら参照)
PubMed http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/ は米国国立医学図書館(National Library of Medicine:NLM)の国立バイオテクノロジーインインフォメーションセンター(NCBI)が1997年6月から運営しているMEDLINEを含む科学情報の検索サイトである。個人的な目的のための使用は無料である。Heponwebからもリンクしてあるので使われている先生方も多いことと思う。PubMedを利用するにはまずHelpページをよく読む必要がある。しかし、これを理解するのにも、実際それに基づいて使いこなせるようになるにも時間がかかる。ここでは、PubMedの上手な利用の仕方を簡単に紹介したいと思う。
PubMedの特徴とそれを生かした使い方
PubMedは情報が入って来るのが非常に早い。それぞれのジャーナルが大学の図書館に来るずっと前にすでにそのAbstractをPubMedで検索して読むことが出来る。また、オンラインで読めるジャーナルが増えてきたとはいえ、つまり、インターネットを使うことで紙のジャーナルより早く情報を入手できるとしても、自分の興味あるテーマに関する論文を集めようとすると、異なるジャーナルに散らばっている論文を探すには、それぞれのジャーナルを一つ一つ見て回らなければならない。しかし、PubMedを使えば、ほぼ最新の論文までテーマごとに必要な論文のAbstractを集めることが出来る。これは大きなパワーである。つまり、それぞれのテーマでいろいろなジャーナルから横断的に論文のAbstractを集めることが出来、またそれは最新号までをカバーできるということである。
そこで、次のような使い方が有効だと思う。自分の興味ある、あるいは専門のそれぞれのテーマについてPubMedで使う検索語を用意しておいて、毎月なら毎月過去30日分の論文を検索するようにするのである。もし、2ヶ月ごとなら過去60日分を検索する。そして、重複する論文があったら、それを削除し、読んで、あまり意味が無いと思う論文も削除する。それを積み重ねて行くのである。その中から原文を読む必要があったら、筆者はまだ利用したことはないが、実はオンラインで入手することも出来るのである。PubMedはLoansome Docというのを用意してあり、登録すると原文をオーダーできるそうである。
PubMedによるMEDLINE検索論文を整理したり、上で述べたような重複を削除するのにはEndNote Plus(ユサコのホームページまたはNiles Softwareのホームページを参照)を使うと便利である。EndNote Plusは現在バージョン3になっているが、論文執筆の際に文献を付けるのに、ジャーナルのフォーマットに合わせて自動的にアレンジしてくれるので非常に便利なソフトウェアである。また、データベースとしての機能も持っており、あるテーマに関する自分のAbstract集を作るのに使える。しかも、MEDLINEからダウンロードしたファイルを取り込むことが出来るのが非常に便利である。PubMedのホームページを開くとすぐ検索画面になっている。
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非常に単純なレイアウトであり、あまり飾りも無いのだが、これがすごいパワーを持っているのである。Searchボタンの下にあるフィールドに検索語を書き込むのであるが、ここには単語を一つしか書けないということではない。
●一番簡単な検索法は各検索語を大文字のANDで区切って書くことである。2語以上からなる場合はダブルコーテーション・マークで閉じておく。そして英語だけならenglish[la]というのを組み合わせる。[]かっこでLanguageを意味するlaを囲んでenglishのすぐ後ろに付けるのである。
例:"hepaitis c" AND interferon AND english[la]
Entrez Date limit:を60日にして実際に検索した結果を下に示す。過去2ヶ月で45の論文が見つかった。ここでは1ページあたりの表示数を20に設定してあったので、3ページに分割されて表示される。もし、1ページに全部出したければ、Docs Per Pageを大きな数字にして、もう一度Searchボタンをクリックすれば良い。
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ここでは各論文の第一著者名と論文のタイトルとジャーナル名、年、巻、号、ページが一覧で表示され、下に示すように左上にチェックボックスがある。一覧を順次見ながら必要な論文だけチェックを入れてDisplayボタンをクリックしてまとめてAbstract付きの一覧を表示させるのでも良いし、何もチェックをしないでDisplayボタンをクリックすると全部をAbstract付きで表示させることが出来る。つまりデフォルトではSelect Allになっているのである。どちらにするかは回線の使用条件によるであろう。出来るだけ接続時間を短くしたければ全部表示させてそれを保存してから、後で不要なものを削除する方が良いし、大学のような常時接続の環境であれば先に必要なものだけをチェックしてから表示させても良いであろう。
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さて、DisplayボタンでAbstractを表示させる場合にもいくつかのフォーマットから選択できるようになっている。通常は上の例のようにデフォルトのAbstract reportでよい。ポップアップメニューを出してみるとMEDLINE reportというのがあるが、これはEndNote Plusのようなソフトに取り込む場合に用いるフォーマットである。
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Abstract reportでDisplayボタンをクリックすると下のようにジャーナル名、年、巻、号、ページ、タイトル、著者名、施設名、Abstractが一覧表示される。これをブラウザーのファイルメニューから名前を付けて保存を選び、HTMLファイルまたはTextファイルとして保存すればあとでそれぞれブラウザーかワープロソフトで開いて読むことが出来る。もちろん印刷しても構わない。 この場合はHTMLファイルとして保存すると画面に表示されたイメージで保存されるが、ボタンやロゴなどの部分は表示されない。Textファイルとして保存する場合にはボタンやロゴなどを除いた文章の部分だけが保存される。
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さて、余分な部分を除いて保存したい場合にはどうしたらいいか。そのためには、Abstract reportを表示したあと、ページを一番下までスクロールすると、Saveボタンがあり、PCかMacintoshかTextフォーマットかHTMLフォーマットかを指定して余分な部分を削除した上で表示することが出来るようになっている。
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通常は自分の使用しているパソコンをポップアップメニューから選択し、TextフォーマットでSaveすれば良い。すると、下に示すようにファイルのダウンロードの画面が表示されるので、このファイルをディスクに保存するを選択してOKボタンをクリックする。
(以前はここで余分な部分が削除されてブラウザーで文献集が表示され、その後ファイルメニューから名前を付けて保存を選び適切なファイル名を付けて適当なフォルダーに保存するようになっていたが最近変更があった。)
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すると通常のファイル名を付けて保存する画面が表示されるので、適切なファイル名を付けて適当なフォルダーに保存する。ファイルの種類は.ドキュメントになっているが、ファイル名に.txtの拡張子を付けてテキストファイルとして保存する。これで後でワープロソフトで開いて読むことができるし、DisplayでMEDLINE reportを選択した場合にはそのテキストファイルをEndNote Plusで取り込むことが出来る。
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保存が終了するとダウンロード完了の画面が出るのでOKボタンをクリックする。
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●臨床試験だけを引き出したい場合にはどうするか。英語の論文だけを引き出すにはAND english[la]という検索語を追加すれば良いことを述べた。これから分かるように[ ]かっこの中にptと書き込むとPublication Typeを指定することが出来るので、"clinical trial"と書いた後ろに続けて[pt]と書いておくと臨床試験の論文だけを引き出すことが出来る。
例: "hepatitis c" AND interferon AND english[la] AND "clinical trial"[pt]
実際にこの検索語の組み合わせでやはり過去60日を検索すると出てきた文献の数は4個に絞られた。つまり、診断、治療などに関して臨床試験として行われた研究を検索したい場合にはこのようにすれば良いのである。
●総説だけを引き出したい場合にはどうするか。これもreview[pt]という検索語をANDで組み合わせれば良い。ただし、総説はAbstractが付いていないことが多いので、原文がインターネットで公開されていないジャーナルの場合にはPubMedのOrderボタンをクリックしてLoansome Docに頼むか、図書館に出向いてみる必要が出てくる。Loansome Docを使うにはあらかじめ登録する必要がある。
例:"hepatitis c" AND interferon AND english[la] AND "review"[pt]
実際にこの検索語の組み合わせで過去1年を検索すると、57個の論文が出てきた。
●Automatic Term Mappingとは。PubMedはAutomatic Term Mappingという手法を用いて、適当に書き込んだ検索語をあらかじめ用意してある表(Medical Subject Headings, MeSH)に照らし合わせて、その組み合わせを設定した上で文献検索を行うしくみがある。たとえば、hepatitis cを検索すると、cという文字を含む論文といえば、すべての論文ということになってしまい、ただhepatitisだけを検索するのと同じことになってしまうが、これを"hepatitis c"と解釈して検索がかかるようになっている。また、語と語の間のスペースはANDとみなして検索するのが原則である。
例えば、english[la] hepatitis c interferonを検索してみると、最初の例とまったく同じ検索結果が得られる。これはAutomatic Term Mappingにより正しく解釈が行われたからである。PubMedがどのように解釈したかを確認するにはSearchボタンを押して結果が出た画面でDetailsボタンをクリックすると知ることが出来る。下にこの例の場合を示すが、最初が"hepaitis c" AND interferon AND english[la] の検索結果のDetailsで次がenglish[la] hepatitis c interferonの検索結果である。基本的に同じ事が分かると思う。
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つまり、PubMedは思いつくままに検索語を書き連ねるとANDで結んで適当に検索してくれるようになっているのである。しかしながら、これが逆に作用して検索に何も引っかからないことも起こりうる。その場合にはDetailsを開けてみて、どのような組み合わせになっているか確認し、必要に応じて検索語を書き換える。多くの場合にマニュアルでANDで結んで、フレーズは””で囲んでやればまずうまく行く。Detailsの画面で書き換えてSearchすることも出来る。
●ジャーナルを指定して検索したい場合:ある検索語を含む文献をジャーナルを指定して検索する場合には[ta]のタグを使う。taはtitle abbreviationの略である。例えばNew England Journal of Medicineに掲載されたhepatitis cに関する論文を調べるとする。
*今まで述べたことでお気づきのことと思うが、PubMedでは大文字と小文字の区別はない。ただし、論理演算子のAND、OR、NOTは大文字で記述する。例:n engl j med [ta] hepatitis c検索年度はEntrez Date Limitで指定する。例えば過去2年で検索してみると。17の論文が見つかった。
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ここではAutomatic Term Mappingを利用して検索が行われていることに注目して欲しい。そして[ta]のタグの前はスペースを入れてあるが、それでも問題なく検索が行われている。つまり、タグは検索語に続けて書いても良いし、スペースを空けてもどちらでも構わない。
さて、Automatic Term Mappingをもう少し理解するために試しにhepatitis c n engl j med [ta] で検索してみよう。すると一件もヒットしないで次のようなメッセージが表示される。これはhepatitisの部分からジャーナル名として扱われてしまったためである。一般的な原則としてAutomatic Term Mappingを利用する場合には言語の指定、例えばenglish[la]や、ジャーナル名の指定、例えばlancet [ta]などのタグを使った指定は最初に書いた方が間違いが少ない。もちろん論理演算子で区切った場合にはそのようにする必要はない。なお、この例の場合にはhepatitis c n engl j medとタグ無しで検索すると上記の場合と同じ検索結果が得られた。Automatic Term Mappingがうまく機能してくれた。
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また、ジャーナル名は上記の例のように略語を使うことも出来るし、フルスペルで指定することも出来る。略語があやふやな場合にはフルスペルで指定すれば良い。
●複数のジャーナルを指定したい場合:同じ分野でも非常に多くのジャーナルが出版されているのでキーになるジャーナルだけで文献をフォローしたい場合には複数のジャーナル名をORで結んで指定することが出来る。
例:(n engl j med [ta] OR lancet [ta] OR j clin invest [ta]) AND hepatitis c
これで過去1年を検索すると37件の文献がヒットした。この場合hepatitis cをダブルクォーテーション・マークで囲んでも囲まなくても同じ結果が得られた。
ここでポイントを述べておくと、1)タグはタグで指定する語句のすぐ後ろに書くこと、2)ORで結んだ語句全体をカッコ()で囲むこと、3)カッコで囲んだ語句と他の検索語はANDで結ぶこと、である。例えばANDを入れないとhepatitis cの部分が無視されてしまう。また、検索結果が自分の意図したこととは違うような場合にはDetailsボタンをクリックして中身を見て確認することである。
●特定の著者の論文を検索する:たとえば利根川進氏の論文を検索したいとする。この場合のタグは[au]である。もちろんAuthorの略である。例:tonegawa s [au]
これで過去5年間を検索すると77個の文献がヒットした。もちろん同姓同名の人がいた場合にはそれもヒットするので、その場合には中身を見ないと目的とする文献かどうかは分からない。また、ミドルネームがあるような場合にはdelaney jr [au]のように記述する。姓しか分からない場合でも検索できるがもちろん同姓の人の論文が全部ヒットしてしまう。
●論文の引用文献を検索したい:この場合には著者名とジャーナル名と出版年度の三つを組み合わせればまず目的の文献にヒットするはずである。著者名を複数組み合わせても良い。出版年度を指定するタグは[dp]である。Date of publicationの略である。
例:shibata [au] morizane [au] lancet [ta] 1998 [dp]
これで一発で次の論文がヒットした。Irregular regeneration of hepatocytes and risk of hepatocellular carcinoma in chronic hepatitis and cirrhosis with hepatitis-C-virus infection. Lancet. 1998 Jun 13;351(9118):1773-7.
PMID: 9635950; UI: 98297873.●日付をより細かく指定して検索したい:[dp]はもっと細かく指定することが出来る。例えば1996年に出版された論文だけを探したい場合。ただしこの場合にはEntrez Date limitはNo Limitを選択しておかなければならない。
例:tonegawa s [au] 1996 [dp]
1995年から1997年に出版された論文を探したい場合。コロンで最初と最後を区切る。この場合にもEntrez Date LimitはNo limitを選択しておかなければならない。
例:1995:1997 [dp] tonegawa s [au]
1997年6月から今日までの論文を探したい場合。スラッシュ”/”で年、月を区切る。なお、日まで指定することも出来る。例えば、1996/6/1。
例:1997/6: 1998 [dp] tonegawa s [au]
●PMIDとUIとは:PubMedで文献検索を行うとヒットした論文の表示のなかにPMIDとUIという数字がある。じつはPubMed indentifierとUnique identifierのことでこの数字を検索語の欄に入力してSearchすると一発でその論文が出てくる。
●アステリスク*の使い方:たとえばpredictiveとpredictionの両方を検索したい場合にはORで結んで検索することも出来るが、次のような記述でもOKである。例:predict*
この場合にはpredictまでが同じでその後ろに続く部分がどのような語も検索の対象になる。いわゆるワイルド・カードと同じである。
それでは今日はここまで。
************1998.11.8 森實敏夫 morizane@kdcnet.ac.jp*************
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