PubMedは医学文献データベースであるMEDLINEの検索を行うことができる米国のNational Library of Medicine (NLM)が提供しているインターネット上に公開されているサービスであるが、最近ヒトゲノム計画の急速な進展に伴い、医学文献以外のデータベースと統合化が図られつつある。NLMと米国National Institutes of Heatlh (NIH)その他のデータベースを一つにして米国National Center for Biotechnology Information (NCBI)として、さまざまなデータベースの検索のみならず相互のリンクを提供する巨大なデータベース・サービスに進化している。ここではNew PubMed Systemによる文献検索について紹介する。
PubMedのホームページの右上にあるClick here to enter the new PubMed Systemをクリックすると、新しいPubMedシステムのホームページが開かれる。
この画面でMEDLINEを検索するのであれば、従来と同じように検索することができる。タグの使用法やAND、OR、NOTなどの使用法も従来どおりで、検索語をフィールドに書き込んでGoボタンを押せばよい。この画面でわかるように、PubMed以外にNucleotide、Protein、Genome、Structure、PopSetデータベースをSearch横のポップアップメニューから選択して、同じように検索をすることができるようになっている。あらかじめ、それぞれのデータベースに移動してから検索することもできるが、その場合には入力フィールドの上にある各項目をクリックして画面を移動してから行う。
まず最初にそれぞれのデータベースの相互関係を簡単に示している、ページをみてみよう。左上の方のAbout Entrezをクリックしてみよう。するとDATABASESというページが現れる。このページはさまざまなデータベースの検索を行うことができるEntrezという入り口のページになっている。
* OMIM(Online Mendelian Inheritance in Man)は1万以上のヒト遺伝子と遺伝疾患のデータベースである。Taxonomyは分類学のことである。ESTはexpression sequence tag, STSはsequence tagged sites,SNPはsingle nucleotide polymorphismのことである。
Entrezに関するHelpはNew PubMed Systemのページに戻って、左のカラムにあるHelpと書いてある部分をクリックするとみることができる。MEDLINE以外のデータベースの解説もあるので興味がある人は読んでみるといい。
さて、New PubMed SystemによるMEDLINE検索はすでに述べたように従来と同じ方法でもできるが、検索語を記入するフィールドのすぐ下にあるLimitsをクリックすると現れる次の画面を利用すると
検索語を入力する部分は同じであるが、それに制限を加えて、たとえばどのフィールドを対象にするか、

Publication Typeをどれにするか、
言語をどれにするか、
年齢を指定するか、

Human StudyかAnimal Studyか、FemaleかMaleか、さらに過去どの期間までにするか、
あるいは、Publication Dateを指定するか、などを設定した上で検索することができる。
また、MEDLINEのサブセット・データベースを指定することもできる。
さて、検索結果の表示も変更がある。特にAdd to Clipboardというボタンが大きな変更である。この機能を使うと、たとえばいろいろな検索語で検索した結果をClipboardに追加して、ためておくことというようなことができる。また、1ページに20個ずつ表示して、必要な文献だけ左側にあるチェックボックスにチェックを入れて選択し、Add to ClipboardボタンをクリックしてClipboardに入れておいて、次のページに移動して(一番下の右の方に表示されるページ番号をクリックすると移動できる)、同様の操作をして、最後にすべてまとめてダウンロードすることができる。チェックボックスにチェックを入れた場合には、その選択した文献だけが、Clipboardに入り、Add to Clipboardボタンをクリックした後には選択された文献のチェックボックスの色が変わるので、どれをClipboardに入れたのかが分かるようになっている。また、チェックボックスを一つも選択していない状態ではデフォルトで全部選択されたとみなされてすべての文献がClipboardに入る。
また、Historyという部分をクリックすると自分が行った検索の履歴を見れるようになっている。その並びにあるClipboardをクリックするとClipboardにためられた内容を見ることができる。ClipboardもHistoryも途中でクリアしてやり直しができる。さて、実際に試してみよう。まず、hapatitis
b AND hepatology[ta] AND 1999/10:1999/12[dp]と書き込んでGoボタンをクリックすると、Hepatologyという雑誌の1999年10月から12月までに掲載されたhepatitis
Bに関する文献のリストがえられる。
ここで、Add to Clipboardボタンをクリックするとここにリストアップされた5個の文献がClipboardに追加保存される。もし、チェックボックスをクリックしてチェックを入れると、選択された文献だけが、Clipboardに入る。Clipboardは最大で500個の文献まで保存できる。
次に、hapatitis c AND hepatology[ta] AND 1999/10:1999/12[dp]として検索をすると、14個の文献がリストアップされた。
ここで、Add to Clipboardボタンをクリックしてすべての文献をClipboardに追加する。
この場合には先ほどhepatitis bでの検索結果と1個の重複があったため、それは自動的に除かれて、14個のうち13個がClipboardに追加された。ここでClipboardの内容を見るため、Goボタンの下にあるClipboardと書いてあるところをクリックすると18個の文献がリストアップされているのが確認できる。Clipboardを開いて見ている状態では、Clipboardのタグの背景が白くなるのでわかる。
ここで、検索の履歴を検索語記入のフィールドの下にあるHistoryをクリックして見てみよう。
検索に用いた語と時間と結果が表示される。
それでは、もう一度Clipboardを表示して、Clipboardにためられた検索結果をTextボタンをクリックしてTextとして表示させてみよう。
これを選択してワープロに貼り付けることもできる。
また、Saveボタンをクリックするとテキストファイルとしてダウンロードすることができる。
さて、EndNote Plusで取り込むために、Clipboardを表示した状態で、Displayボタンの右の表示形式をMEDLINEに変えて、Displayボタンをクリックする。
すると、それぞれの文献がAbstractその他の情報とともに一覧表示されるので、Saveボタンをクリックする。以前はSaveボタンが一番下に表示されていたが、あたらしいシステムでは一番上にも表示されるので、文献の読み込みが終わって、表示が終了したら、Saveボタンをクリックしてダウンロードして保存することができる。また、Mac、Windows、UNIXの選択ポップアップメニューもなくなっている。
この画面でOKボタンをクリックするとファイル名をつける画面になるので、適当にファイル名をつけて、保存する。ファイルの種類は.fcgiドキュメントと表示されるが、Windowsの場合、拡張子として.txtをつけるようにしよう。
EndNote Plusへの取り込み法はすでに紹介してあるのでそちらを参照されたい。
以上で新しいPubMedシステムでMEDLINE検索を行う方法が理解されたと思う。
New PubMed SystemはMEDLINE以外のデータベースとのリンクがすごいのであるが、別の機会に紹介するつもりである。
森實敏夫