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神奈川歯科大学は、平成17年度より文部科学省の私立大学研究開発拠点整備事業でありますオープンリサーチ研究開発拠点整備事業の選定を受け、「咬合咀嚼器官期間と高次脳のクロストーク−次世代の歯科医療の基盤創生」を研究課題としてプロジェクトを開始いたしました。本プロジェクトは、先進国に共通して社会問題となっているストレス疾患と認知症を取り上げ、これらの疾患を克服する方略として咀嚼器官の有用性を解明する目的で、歯科学分野、医科学分野、さらに情報工学分野がコンソーシアム的に脳科学研究を行い、ストレス疾患予防と認知症予防に果たす咀嚼器官の重要性を社会に提唱し、新しい歯科医療分野の創生を最終目標としています。
科学技術の進歩は私たちに多くの便益を与えてきましたが、同時に人を含む生物に多大なストレスを提供してきました。ストレスは、たとえ小さくても慢性的に被ると腎臓や内分泌系のうっ血あるいは出血、不定愁訴、さらに自律神経の攪乱による内臓疾患など、いわゆる器質的変化を伴った自律神経過剰刺激症候群が誘発されます。精神的・肉体的ストレスは、神経心理学的に不快情報と定義され、扁桃体がその初期発動の座でありますが、咀嚼器官の活動によってストレス刺激に応答した扁桃体の活動が制御されること、咀嚼機関の活動がストレスによる異常な生体反応を予防して、全身の健康維持に役立っていることが確認されています。
近年咬合咀嚼不全とストレス疾患及び認知症の関連性が臨床の現場で指摘され、とくに神経・精神機能とのクロストークが注目されています。われわれは、咬合咀嚼不全に陥ると不定愁訴あるいは高齢期の認知障害が起き、これらは扁桃体、海馬、さらに前頭前野など、人間にとって最も重要な脳の高次神経回路の機能障害によることを見いだしました。今後は分子からヒトに亘る広範囲の脳科学研究を行い、その成果を積極的に公開して臨床応用への理解を深めることが重要と考えています。
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