9. 熱電対による温度測定

 

もくじ

  1. 目的
  2. 実験課題
  3. 原理
  4. 実験方法
    1. 熱電対の校正
    2. ナフタリンの凝固点の測定

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1.目的

広範囲の温度測定に利用されている温度計に熱電対温度計がある。この温度計は種類の異なる2つの金属線を組み合わせて作られる熱電対の熱起電力を利用したものである。そこで熱電対の熱起電力と温度の関係を知り,熱電対による温度の測定方法を理解する。

2.実験課題

(1) 熱電対の一端の温度をO℃に保ちながら他端の温度を変化させ、その温度に対応する起電力を測定して温度と起電力の較正グラフを作る。

(2) 熱電対を用いてナフタリンの融点を測定する。 

3.原理

 種類の異なる2本の金属線を接合して閉回路を作り2つの接合点に温度差を与えると、回路に起電力が生じて電流が流れる。この現象をゼーベック効果といい、このとき流れる電流を熱電流、生じた起電力を熱起電力という。熱起電力は2つの金属線の種類と両端の接合点の温度だけで定まり、金属線の長さや太さ、及び金属線の途中の温度分布には無関係である。この金属線の対のことを熱電対といい温度計として広く利用されている。(第1図)。

 熱電対の一方の接合点の温度θ0を一定に保ち、他の接合点の温度を1℃変化させたときの熱起電力の変化の割合を熱電能Sとよび、温度の1次式で表わされることが知られている。すなわち

(α,β;定数)  (1)

(1)式をθ について積分すると

(2)

θ0がOのとき、(2)式は

(3)

となり,起電力Eと温度差θとの関係は第2図のような二次曲線(放物線)になる。(3)式よりθ=-a /b のとき、Eは極大になり、SはOとなる。この温度のことを中立温度という。しかしこの極大値附近の温度では、起電力の温度に対する変化が小さいので温度起電力測定の使用範囲としては不適当である。通常、熱電対の起電力と温度差との関係が、ほぼ直線的な温度範囲が利用される。

      第2図

 熱起電力Eの測定は普通ミリボルトメータが用いられるが、高精度を要する場合は電位差計が用いられる。熱電対とミリボルトメータを組合わせたものを熱電温度計という。

 熱電対の起電力は2つの接合点の温度差だけで決まるので、1つの接合点の温度を一定(例えばO℃)に保ち、他端の温度を変化させ、それに対応する熱起電力を求めることにより熱電対の先端の温度と起電力の関係が得られ、熱電対を温度計として用いることができる。この両者の関係を求めることを熱電対の較正という。

 熱電対として使用される金属線の組合せには,つぎのようなものがある。

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4.実験方法

1.熱電対の校正

・冷接点用のデュワー瓶(魔法瓶)に氷と水を入れる。

・図3のように配線する。

・ビーカーに水を約400 mL入れ,電熱器の上に乗せる。熱電対と温度計をアクリルパイプに差し,この水の中に入れる。

・温度と熱起電力(電圧)を測定する。

・電熱器のスイッチを入れ(内325 W),およそ5℃ごとに温度と電圧を測定する。(沸騰するまで)

・温度を横軸,電圧を縦軸にしてグラフを書く。

           第3図

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2.ナフタリンの凝固点の測定

・試験管に入ったナフタリンを湯煎にして溶かす。

・熱電対をナフタリンの中に入れ,電熱器のスイッチを切る。

・熱起電力が下がり3.6 mVになったら,30秒ごとに20分間熱起電力を測定する。このときナフタリンの様子も観察すること。

・測定が終わったら,ナフタリンが溶けるまで再び温度を上げ,熱電対を取り外す。

・時間を横軸,電圧を縦軸にしてグラフを書く。

・グラフから凝固点の起電力を読み取り,校正曲線から温度を求める。

第4図

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