ブラウン管オシロスコープを用いて電圧や時間を測定することを学ぶ。また,交流電流の基本を理解する。
(1)乾電池(直流)および発振器(交流)の電圧を測定する。
(2)スイッチを素早く押し続けたとき,および点滅が感じられる限界のときの時間間隔を測定する。
(3)電圧の時間変化の例として,自分の声の波形を測定する。
3-1 ブラウン管オシロスコープ
ブラウン管は真空管の一種で,図1-aに示したように,陰極から放出された電子を陽極電圧で加速して蛍光面に当てると,その点が光ってみえる。この電子の通り道に電界をかけると電子は曲げられるので,蛍光面上の輝点が動くことになる。電子の速度は大きく,また質量が小さいので電界の変化に応じて忠実に輝点が動くので,非常に速い変化でも正確に観測することができる。通常は水平方向には内部の発振器を用いて図1-bのようなノコギリ波状の電圧を加えるので,輝点は水平方向に一定速度で移動する。すなわち横軸は時間を表す。垂直方向に測定する電圧を加えると,電圧の時間変化が測定できることになる。例えば図1-cのような電圧を加えると,画面上にその変化がそのまま現れる。

図1-a ブラウン管の構造
図1-b 水平偏向板に加える電圧
図1-c 垂直偏向板に加える電圧
3-2 直流と交流
乾電池から流れる電流のように,一定の向きに一定の大きさで流れるものを直流という。これに対して,時間とともに向きの変わる電流を交流という。家庭用の電源も交流である。交流の場合,電圧は時間とともに変化するので,通常は実効値(2乗の平均値)で表す。正弦波形のときは実効値は最大値の1/√2となる。例えば家庭で使う交流電源は100Vであるが,これは実効値で,最大電圧は140Vである。
図2 直流

図3 交流
(電圧の単位)
電圧の単位はV(ボルト)である。また0.001V=1mV,1000V=1kVである。
3-3 周期と周波数
交流電流が1秒間に流れる向きを変える回数を周波数といい,単位をHz(ヘルツ)で表す。たとえば家庭用の電源は東日本で50Hz,西日本で60Hzである。また流れる向きがもとにもどるまでの時間を周期という。単位はs(秒)である。また0.001s=1msである。周期Tと周波数fの関係は,
T=1/f
となる。例えば,50Hzの交流の周期は
T=1/50=0.02s=20ms
である。

図4 周期
直流電圧の測定
オシロスコープの初期設定をし,輝線が中央にくるようにする。
図のように,乾電池にテスターとオシロスコープを並列につなぐ。
テスターのレンジを「DCV 2000m」に合わせ,電圧を読む。
オシロスコープの感度を「0.5V/DIV」,掃引時間を「10ms/DIV」に合わせる。
レコーダーに記録をとり,これから電圧を読みとる。
なお記録紙は感度,掃引時間等を記入して各自のノートに貼っておくこと。
電池の向きを(ホルダーごと)逆にして,同様の測定をする。
テスターを「OFF」にする。
交流電圧の測定
乾電池の代わりに発振器をつなぐ。
発振器の周波数レンジを「×10」,ダイアルを「5」に合わせる。
オシロスコープの感度を「5V/DIV」に合わせる。
テスターのレンジを「ACV 200」に合わせる。
オシロスコープの画面を見ながら,発振器の出力を徐々に上げる。
レコーダーに記録をとり,これから電圧を読みとる。
なお記録紙は感度,掃引時間等を記入して各自のノートに貼っておくこと。
テスターで電圧を読む。
テスターを「OFF」にする。
スイッチの早押し
乾電池,スイッチとオシロスコープをつなぐ。
オシロスコープの掃引時間を「50ms/DIV」,
感度を「0.5V/DIV」に合わせる。スイッチをなるべく速く連続して押し,レコーダーに記録をとる。
なお記録紙は感度,掃引時間等を記入して各自のノートに貼っておくこと。
チャート紙からスイッチを押す時間間隔を読みとり,1秒当たりの回数を計算する。
フリッカーテスト
発振器,発光ダイオードとオシロスコープをつなぐ。
オシロスコープの感度を「1V/DIV」,掃引時間を「10ms/DIV」に合わせる。
発光ダイオードが点灯するまで発振器の出力を上げる。
発振器のダイアルを回し,点滅が感じられる限界の周波数を探す。
レコーダーに記録を取る。
なお記録紙は感度,掃引時間等を記入して各自のノートに貼っておくこと。
チャート紙から点滅間隔を読み取り,周波数を計算する。
マイクをオシロスコープにつなぐ。
マイクに向かって声を出しながら,掃引速度,感度を設定する。
レコーダーに記録する。
なお記録紙は感度,掃引時間等を記入して各自のノートに貼っておくこと。
チャート紙から電圧と周期を読み取り,周波数を計算する。
波形をトレース方眼紙に写し,座標を書き入れる。