モーターやスピーカーは電流によって磁場が生じることを利用している。また、逆に磁場の変化が起電力を生むことを利用して発電機やマイクが作られている。ここでは電流と磁場が相互に変換することを学ぶ。
○電流を流すと磁場ができる。
○磁場が変化すると起電力が生じる。
(1)電流によってできる磁場の向きと大きさを測定する。
(2)コイルの中に磁石を出し入れしたとき生じる誘導起電力を測定する。
(1)電流の作る磁場
ギリシャ時代から電気と磁気は知られていたが、これらは無関係のものと考えられていた。ところが1820年にエルステッドは、導線に電流を流すと近くに置いた磁針が振れることを見い出した。すなわち電流によって磁場が発生することを発見したのである。
この電流による磁場を詳しく測定したところ、磁場の方向は図1のようになっていることが分かった。つまり電流Iの方向を右ネジ(普通のネジ)の進行方向に一致させたとき、ネジの回転方向が磁場Bの向きとなる。これを右ネジの法則という。
また磁場の磁束密度Bは電流Iに比例し導線からの距離rに反比例する。すなわち
となる。ここで、μ0(=4π×10-7 N/A2)は真空の透磁率である。磁束密度の単位はT(テスラ)で、たとえば1Aの電流から1m離れた点での磁束密度は2×10-7 Tとなる。また日本での地磁気による磁束密度はおよそ3.0×10-5 Tである。
エルステッドの発見により、電流から磁場ができることを知ったファラデーは、逆に磁場から電流ができるはずと考え、実験を重ねた。その結果、いくら強い磁場であっても一定のときは電流は発生せず、コイルの中の磁束(磁束密度×面積)が変化するとき、起電力が生じることを突き止めた。これを電磁誘導という。この起電力φは磁束Φの時間変化に比例しており、
と表される。マイナスの符号は誘導電流は磁束の変化をさまたげる向きに流れることを示している。
例えば、コイルの中の磁束密度をB、半径をrとすると、このコイルを通る磁束は、
となる。これをΔtの間に0としたときの誘導起電力の大きさは、コイルの巻数をnとすると、
で与えられる。
誘導電流の向きは、磁束変化を妨げるように、この場合は磁束が減少しないような向きとなる。つまりもとと同じ向きに磁場が発生するように誘導電流は流れる。
実験開始前までに各自必ず予習レポートを記して下さい。