弾性率(ヤング率)                   (担当; 服部)

 

 目的 固体に力を加えて変形させたときの歪とそれに応じて内部に生ずる応力との

関係を通して物質の弾性という性質を理解する。そこで歪と応力の関係を規定する

弾性定数として最も基本的なヤング率について求める。

 実験課題 (1)Ewing(ユーイング)の装置を用いて角棒のたわみを測定し、

ヤング率を求める。(2)荷重の大きさと棒のたわみとの関係を調べる。

 原理 物体内の応力の大きさは面積あたりの力で与えられる。応力の大きさが

ある限界内にあるときは、応力と歪みは比例している。これをFook(フック)の法則

という。力の加え方によっていろいろの種類の歪みが生じ、したがってこれに伴い

種々の弾性率が定義される。その中で伸び歪みに対する弾性率すなわち単位の伸び歪み

を生じさせるのに要する応力でもって表わされるのがヤング率である。

断面積 Sで長さdの線状固体を長さの方向に力 Fで引っ張ったときの伸びを Δd と

すると 

        応力=F/S,   歪み=Δd/d

となる。

応力と歪みの間にはフックの法則が成立し、

        (応力)=E×(歪み)

の関係がある。すなわち 

        (F/S)=E(Δd/d)

となる。ここで Eをヤング率といい物質定数の一つである。

ヤング率 Eが大きい物質ほど応力に対する歪みが小さくなる。

 ヤング率を求めるには、針金のような場合は荷重をかけて引き伸ばしその伸び歪み

を直接測定するという方法が用いられるが、部厚な棒状試料については曲げ変形を

起こさせて、そのたわみを測定する。

棒状試料を二本の支柱上に水平に置き、試料棒の中央に分銅を吊すとその荷重で棒が

たわむので、このわずかのたわみを望遠鏡で拡大して測定する。

試料棒の厚さa,幅bとし、支柱間の距離をL,荷重をWとすると、この棒の

たわみ hは  

        h=WL3/(4Ea3b)  

で与えられることが知られている。

したがって ヤング率Eは 

        E=WL3/(4a3bh) 

で求められる。

 使用器具 ユーイングの装置, オプチカルレバー(鏡), ノギス,

尺度付望遠鏡, 巻尺, 試料棒(鋼,銅,しんちゅう)

 測定方法

(1)二本の試料棒を装置の支柱上エッジに平行に置く。

次に測定する試料棒の中点につり下げ金具をかける。

オプチカルレバー(鏡)は前脚をつり下げ金具の穴を通して乗せ、後脚は片方の

試料棒に乗せる。

鏡の面は試料棒に対して垂直になるように調整する。

(2)オプチカルレバーから約 1〜2 m 離れた所に尺度付き望遠鏡を置き、

その鏡筒をオプチカルレバーとほぼ同じ高さに合わせる。

鏡に尺度が映るように尺度付き望遠鏡の位置を移動する。

接眼レンズを覗いて鏡から反射してくる尺度目盛が明瞭に見えるように

焦点を調整する。

(3)以上の調整が済んだならば、鏡面から望遠鏡付属の尺度目盛面までの

距離 X を巻尺で測定する。

次に鏡に映っている尺度目盛を望遠鏡で読み取り、その値を y0 とする。

すなわち y0 は試料に荷重を全くかけていないときの最初の基準の目盛値である。

(4)試料に荷重をかけるために分銅を 1個づつ吊り金具に乗せていき、

その目盛値 y1,y2,‥‥,y5 を望遠鏡で読み取っていく。

全部の分銅を乗せ終わったならば、今度は逆に 1個づつ減らして同様に

目盛値 y1′,y2′,‥‥,y5′ を読み取る。

ただし添字 1,2,‥‥,5 は乗せている分銅の個数である。

(5)各試料棒の厚さ a,幅 b をノギスで測定する。

(6)試料のたわみ h は次式によって与えられる。

= │y−y0 │Z/(2X) (ただし分銅の個数 n = 1,2,‥‥,5)

ここで Z はオプチカルレバーの脚支点間距離であって、これを測るには紙面の

上に軽く脚を押しあて、その紙面上の脚跡間の距離をノギスで測定する。

 測定値

試料を支持する台の支点間距離 L = 40.0 cm

オプチカルレバー(三支点付きの鏡)の前後の支点間距離 Z = 3.015 cm

(1)試料名; 鉄

試料棒の厚さ a = 0.4463 cm

試料棒の幅 b = 1.596 cm

望遠鏡のものさし面とオプチカルレバーの鏡面までの距離 X = 174.5 cm

分銅の質量 M

増重時の目盛値

減重時の目盛値

増減重の平均

Δy (cm)

   0 g

0 =13.50 cm

0′ =13.50

a0 =13.50

  200

1 =14.73

1′ =14.75

a1 =14.74

  400

2 =16.00

2′ =16.00

a2 =16.00

  600

3 =17.28

3′ =17.30

a3 =17.29

a3−ya0

  800

4 =18.55

4′ =18.57

a4 =18.56

a4−ya1

  1000

5 =19.80

5′ =19.80

a5 =19.80

a5−ya2

  したがって Δyの平均 = (3.79+3.82+3.80)/3 = 3.80 cm

 

(注)Δyは M = 600 g に対する目盛値の変化を与える。

(注)試料棒のたわみは次式で与えられる。

   h= │y−y0│Z/(2X)

   ただし添字nは分銅の個数 n =1,2,3,4,5

 

 計算

ヤング率 E = MgL3 X /(2a3bZ Δy)  dyn/cm2

( g は標準重力加速度であって、およそ 980 cm/s2 である。)

(1)試料; 鉄

   MgL3 X = 600×980×(40.0)3×174.5

   2a3bZ Δy = 2×(0.4463)3×1.596×3.015×3.80

   よって E= 2.02×1012 dyn/cm2

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 予習レポート(レポート表紙兼用)

 

[実験項目] 1.弾性率(ヤング率)

[実験期日]    年    月    日

[学生番号]

[氏名]

 

(目的)

 

 

 

(実験課題)

 

 

 

(原理)

次の各用語について、配布プリントまたは図書館などで文献や資料を調べて説明せよ。

1.応力

 

 

2.弾性体の歪み

 

 

3.弾性率

 

 

4.フックの法則

 

 

(使用器具)