2004年度版
◆熱量
「熱が高い」というけれど・・・
◆仕事
じっとしていても疲れるけれど・・・
◆熱と仕事
仕事をすると熱が出る?
◆エネルギーの保存
永久機関は永遠の夢
(注・現在標準的に用いられる単位については、後で述べる。
・栄養学などで使われる「カロリー」はkcalあるいはCal、すなわち1000 calのことである。)
物体に熱が加わると温度が上がることが多いが、熱と温度は同じではない。熱を加えなくとも摩擦などの仕事によって温度を上げることもできるし、熱を加えても氷のように融けるだけで温度は変わらないこともあるからである。また、移動するエネルギーを熱と呼ぶのであって、熱が物体に貯まることはない。(物体に貯まったエネルギーは「内部エネルギー」という)
◆仕事(work)
物理では、「仕事」とは、物体に力を加えたとき、その力の大きさと力の向きに動いた距離の積で定義されている。すなわち、物体に力Fを加えて距離dだけ動かしたときの仕事Wは
W=Fd 単位…Nm=J (ジュール)
である。
【例題2-1】
? 質量50kgの置物を40cm持ち上げた.このときの仕事はいくらか。ただし重力加速度gを9.8ms-2とする。
? 質量50kgの置物を滑車を使って40cm持ち上げた。このときの仕事はいくらか.

【例題2-3】
室温10℃における東京ドームの容積を1.24×106m3とする。圧力を1気圧(1.013×105N/m2)に保ったまま20℃まで暖めると,体積はいくらになるか。またこのとき空気のする仕事はいくらか。

1 cal=4.19 J
で一定となっていることが確かめられた。つまり熱と仕事は等価で、熱もエネルギーの一種ということがわかったのである。この熱と仕事との比、すなわち4.19 J/calのことを熱の仕事等量(machanical equivalent of heat)という。ただし、現在広く用いられているSI単位系には"cal"という熱固有の単位はなく、熱も仕事も同じ"J"という単位が使われており、熱の仕事等量は必要ない。
◎ミクロに見た仕事と熱
シリンダーの中の気体をピストンで押して仕事を加えている状態をミクロに見ると、ピストンが気体分子に向かって進むため、ピストンに衝突した分子の速度は衝突前に比べて大きくなる。図(気体の体積変化と温度)シリンダーの壁から熱を与えた場合は、壁分子の振動が激しくなるため、ここに衝突した気体分子の速度が増す。いずれの場合も気体分子を叩いて加速していることになり、仕事を加えるのも熱を与えるのも同じであることがわかる。

Q-W=ΔU (2.1)
となる。ここでΔUは内部エネルギーの変化である。(2.1)式が意味していることは、熱が内部エネルギーや仕事に変わっても、あるいは逆の場合でも、エネルギーの総和は変化しないということである。これを熱力学の第一法則という。
熱力学第一法則が成り立つということは、多くの経験によって確かめられたものである。長い間人類は燃料なしでも動く機械(永久機関)を作ることを夢見て、さまざまな試みを繰り返してきたが、すべて失敗に終わった。その結果、エネルギーは形を変えることはあっても量は変化しないことを学んだのである。
○気体のする仕事
W=pΔV
○熱と仕事
1 cal=4.19 J
○熱力学の第一法則
ΔU=Q -W
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